アニメ・マンガ

ドラゴンでも人間でもまずは話してミイ~小林さんちのメイドラゴン~


 
(c)クール教信者・双葉社/ドラゴン生活向上委員会

 

SEとして毎日会社勤めで忙しいOLの小林さん。
 

ある朝、小林さんが自宅のマンションのドアを開けた先にいたのは鋭い牙、獲物をにらみ殺すような目、そして圧倒的な巨躯を持つドラゴン。
 

おののく小林さんの目の前でドラゴンはメイド娘に変身。自らを「トール」と名乗り、小林さんの”メイド”として働きたいと申し出るのだった。
 

小林さんちのメイドラゴンとは?

 


 

スポンサーリンク


 

「小林さんちのメイドラゴン」は、小林さんを始めとする人間たちとドラゴンたちのハプニングだらけな日常を描いたマンガです。
 

ぼくが「メイドラゴン」で好きなポイントはまさしく”異種間交流”にあるんです。
 

ドラゴンは空を飛び、ときに魔法を使う人間に比べはるかに大きな力を持つ存在です。
 

トールは大好きな小林さんのために魔法と口洗い(笑)で毎日お洗濯。
 

まだ幼いドラゴン・カンナは「トール様と遊ぶ」と称して、世界の終末を告げるように激しくじゃれ合って小林さんを震撼させる。(本人ら曰く、それが異世界の人間の”普通”)
 

トールのライバル・エルマは小林さんの会社に入社し、PCとはなんぞや?という状態から劇的に仕事ができるOLになったり。
 

人間とドラゴン。生きている世界があまりにも異なるせいで、互いの常識や世界観は全然違う。
 

それでも一緒に生活している中で互いの違いを尊敬し、信頼し合う仲間へとなります。
 

人同士でも”イシュカンコミュニケーション”

 

人間とドラゴンの交流に限らず、人同士の交流でも「互いの持つ世界観の違い」というものは時に受け入れがたいと感じるよね~と。
 

自分はまさしく「世界観の壁」というものを実感することが多くて。(たかだか同じ日本人とでさえこの有様ですからね)
 

あまりよく知らない人との飲み会で、専門外な話題で盛り上がっている一方でひとり酒をちびちび飲んでいたり。
 

(「へえ~俺全然知らないんだよねww」みたいな発言しにくい。他人の前提に合わせないと…と思ってしまうんです。)
 

5人以上の集団でいると話題についていけず、話に合わせて愛想笑いしてるなんてことはよくあります。
 

だから本当に仲のいい友人数人といっしょの時以外、集団でいると自分という存在が窒息していく気がしてならない。
 

集団の中にいると息ができなくて苦しくて、気がつけば一人になっていて一瞬ほっとするんです。
 

でも次の瞬間にやっぱりさみしいという切迫した感情が容赦なく襲ってくるんです。
 

「自分をもっと見てくれ!自分を見てくれだけで判断しないでくれ!」
 

人とのかかわりがわずらわしい?

 

自分があまり自己主張しないタイプ、というのがいけないんだろうと思います。
 

他の人が興味あることと自分が興味あることがちがうなんてよくあることだし、素直に受け入れるべきだとも思っています。
 

要するに自分勝手な要求なんです。わかってるんです。
 

ただ一番の問題なのは、「他人と接することに疲れてしまった自分がいる」ということ。
 

しばらく他人と付き合わず、ひとりで過ごしていればいつか治る、みたいなもんじゃないんです。
 

「自分が○○をしてあげても、この人はどうせ××してくれないんだろうなぁ」
 

「あの人は自分のことを××って言ってたから、多分自分のことが気に入らないんでしょー」
 

最近よく思うのは、自分が他人に対してなにか見返りを要求しているんじゃないか、ということ。
 

そして、自分が他人を動かしていくことで優越感や有能感に浸ろうとしているんじゃないか、ということ。
 

「他人と接することにつかれた」を言い換えれば、「本当は他人と接していたいけど、そのせいで自分が傷つくのはイヤ」ということになるんでしょう。
 

そんな手前本位な自分がいることに気付いて罪悪感を感じ、他人と深くかかわることを避けてきたのかもしれません。
 

スポンサーリンク

人と関わるのが億劫な小林さん

 

小林さんラブなトール

 

そんなときに出会ったのが「メイドラゴン」でした。
 

作中では様々な人間とドラゴンが接していくうちに信頼関係を結んでいくのですが、その中でも小林さんとトールの場合はちょいとばかし異色な感じ。
 

トールは、ひょんなことから小林さんによって瀕死だった自分が救われたことがきっかけで小林さんを大好きになりました。
 

好きの度合いは、小林さんの洗濯物をなめて恍惚としているレベルなのでもう病的かもしれません。(笑)
 

作中至る所で小林さんへの愛を(病的に?)シャウトしています。
 

そんな発言を小林さんは華麗にスルーしていきます。(さすがに洗濯物は怒ってました(笑))
 

とはいえ小林さんがトールのことを嫌いというわけではないでしょう。
 

ときにうっとうしく感じることもあるけど、それ以上に優しく気立ての良いトールのことを気に入っているようです。
 

ただ寄り添うだけの心

 

さて、一見そっけない態度をとる小林さんがなぜここまでトールに好かれたのか、という話。
 

これはトールではないのですがカンナと小林さんが初めて会ったエピソードが参考になると思うんです。(自分が好きなエピソードの一つ(笑))
 

いたずらが原因でカンナは親に見放され、ひとり人間界をさまよい小林さんの家にたどり着きます。
 

事情を理解した小林さんは、「行くとこないならうち来る?」とカンナに提案します。
 

しかし、戸惑うカンナは自分のことを利用してると言って拒もうとします。
 

そこで小林さんのセリフがこちら。
 

「知らない世界で誰も信じられない…当たり前だと思う 私だって信じない
 

 誰かを信じるなんてさ 友達になったり恋人になったりした後のことなんだよ
 

 カンナちゃん 友達になろうなんて言わないよ 一緒にいよう そんだけ」
 
(c)クール教信者・双葉社/ドラゴン生活向上委員会

 

小林さんの言葉を受けカンナは涙ながらにうなずき、小林さんの家に住むことになったのでした。
 

作中では、小林さん自身は人と関わるのをわずらわしいと思うタイプであるという描写があります。
 

人に何かを求めたり、求められたりする関係が重く感じることがあり、友人もオタクの同士の滝谷君くらい。
 

相手に依存するのも、自分が誰かに依存する関係も好まない。
 

一見冷ややかにも思えますが、そんな小林さんの言葉はときに暖かく感じられる。なんか不思議。
 

無意識に相手に何かを要求してる?

 

ここからはぼくの勝手な推測なんですが、小林さんの言動の多くには”相手への期待(要望?)”のようなものがあまり感じられないなーと思うんです。
 

もちろん、すべてのセリフや立ち振る舞いが、というわけではないですよ(笑)
 

ただ、言外に(自分はこの人にこう思われたい・こうしてほしい)みたいな括弧書きがないというか。
 

相手のためを思って言ってるようで、内心は自分の利益になることを期待してる。これってまさにぼくが陥ってた状態。
 

もちろん、困ってる人に「大丈夫?」と声をかけることがいけないというわけではないです。
 

自分がせっかくして「あげた」のだから相手も恩返しをしてくれる「はず」という思い込みを、一度疑ってみる必要があるのかも知れません。
 

(やらぬ善よりやる偽善という言葉もなるほどなと思うところなので、一概には言えなくてムズカシイですネ)

初めて出会う世界に花束を贈ろう

 

結局どうしたら人と関わるのが楽しくなるの?ってはなしですよね(笑)
 

今のぼくの結論としては、「自分とほかの人の世界観の違いを認識する」ということ。
 

生まれも育ちも違う人と初めて会った瞬間から仲良くなるできる人もいるけど、ぼくのような内向的な人間にはちとハードルが高い。
 

だから、まずは相手の好きなもの、考え方、思想といったものを「認める」ようにすればいいんじゃないかと。
 

小林さんとトールも、それまで住んできた世界が全然違うという事実を前に葛藤することもありました。
 

そう、自分の世界の外にあるモノってなんか近寄りがたいし、わかり合うなんてムリなんじゃ、と悩むもんだと思います。(少なくともぼくは!)
 

だから最初からお互いにわかり合うのはもう諦めます。そのかわりに相手の話をまずじっくり聞くようにしました。
 

昨日の夜スーパーで安売りになってたステーキ肉買って焼いたらめっちゃうまくてね~とか
 

資格試験が近いから苦手分野の勉強がんばるわ、とか
 

そういった雑談でもいい。ただただ相手の考えや感情を認めてあげる。
 

そうしたら、相手も自分と同じ「ひとりの個性」なんだな、と思うようになったんです。
 

相手という”個性”は自分の持ち物ではないし、相手も自分を喜ばせるために生きているわけではない。
 

これって当たり前のようで実は意識してる人ってどれくらいいるのかな?
 

もしかしたら自分は今まで偏屈な世界に生きていて、人と出会うことである種の思い込みを打破して新しい世界に生きることができるかもしれない。
 

小さな小さな、自分の世界をほんの少しだけ拡張する。昨日より今日、今日より明日の自分の方が自由に生きる。
 

「小林さんちのメイドラゴン」を読んでいたら、個性の違いで悩んでいたのがちょっとだけ楽になったのでした。

スポンサーリンク
ABOUT ME
はるたぬき
大学でラクロスを始め、京大大学院に進学を決めたたぬき。「面白きことは良きことなり」を合言葉に、今日も卒業研究に熱中している。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です