アニメ・マンガ

「マギ」はアドラー心理学の思想を基に描かれているんじゃないのかい?

最近、研究室に置いてある「マギ」(作:大高忍)を読むのが毎日の楽しみなのですがね。アラジンとアリババがアドラーの思想を色濃く受け継いでいる気がしてならないんですよね(笑)

私自身のアドラー心理学の知識は「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」の2冊で読んだ分のみなので曖昧かもしれないんですけど。

作者の方が知っていて描いていたのかは不明なのですが、人生の目的とか、幸福とか、そういうことを相当突き詰めて考えぬいた方なんだろうなーと勝手に思っています。

「マギ」の世界観・テーマ

はるたぬき
はるたぬき
「マギ」は、アラビアンナイトをベースに展開する魔法ファンタジー。

スポンサーリンク

主人公で魔法使いたるアラジンは、王家の血を引くアリババと出会い、様々な冒険や試練を乗り越えて成長していく少年漫画となっております。

中世の世界観というのもあり、貧富の格差、奴隷制度、侵略戦争など、理不尽なことで満たされた世界。

人々が悲しみ、傷つき、恨み、時には血みどろの争いを繰り返す世界を前に、無力な人間はどう立ち向かえばよいのか。

本作にはそんな、テーマが何度も提示されているように思えます。

アラジンとアリババのキャラを一言で表せば

主人公2人の性格を一言で言うなら、分け隔てなく人を大切にすることができる、という感じでしょうか。

アドラーでいう、共同体感覚みたいなものを体感しているんじゃないかなーと。(もちろん、女好きだったりつまらない意地を張ったりしがちと、よくない部分もあるんですけどね。)

時には間違い、傷つき、大切な人を失いながらも、それでも自分の信じる「正しい道」を信じ続けようとする姿勢が、私は大好きです。

そして、この「正しい道」こそが、アリババが考える「人類全員が幸せになる道」なんだと思います。

アリババが言う「正しい道」

コミックス26巻第254夜のバトルシーンでアリババが語った「正しい道」という言葉がとても印象的です。

かつては親友だった煌帝国の練白龍との死闘のシーン。白龍は母親で兄たちの仇である玉艶を恨み、やがて世界のすべてに絶望し、怒りに身を委ね、大切な人とのつながりをも断とうとしている。

アリババは、祖国であるバルバットを守り、白龍を世界への復讐から連れ戻そうとします。

スポンサーリンク

白龍:「アリババ殿…やはりあなたは独善的な人だ……俺は自分で選んでここ(世界・運命への復讐)へ来たんだ。死んだようには生きていたくない。玉艶や、紅炎(白龍のいとこ)や、白瑛(白龍の姉)が信じる正しい世界では俺は生きられなかった。」

白龍:「ならば、信じる正しさが違う者同士、どちらかが死ぬまで戦うべきなんだ。あんたにはその覚悟がない!!!」

人と人が違うことを認めることができず、殺すしかない、と言い張る白龍。対してアリババはこう答えます。

アリババ:「どちらかが死ぬべきまで戦うべきだって?信じる正しさが違うから?白龍…考えが、まったく同じ他人なんて…この世に一人もいねーんだ!!」

白龍:「…また歯の浮くようなことを…!!」

アリババ:「どんなに同じだと思い込んでた大切な家族でも……相棒でも……一人も、『まったく同じ』になんかなれねーんだ!!」

アリババ:「だから……誰かと考えが違うからって、相手が死ぬまで戦って……世界中とそれを繰り返して……最後に何が残るっていうんだ?」

白龍:「……(憐れむような笑みを浮かべる白龍)」

アリババ:「何も残らねーじゃねぇか‼」「だから……「俺が一番正しいんだ」って、いろんなやつらが言い合いながら、みっともなく考えをぶつけ合いながら、全員で生きていくのが……正しい道だ!」

自分から他者を、積極的に信頼することができるか

アリババの語る「正しい道」を、青臭い理想論だと、白龍のように切り捨てることは簡単です。

でもそれだと、いつまでたっても自分も他人も、争いの中から抜け出すことができない。他人のことを敵としか思えず、仲間になることができない。

人間は、他者と争いを繰り返し、苦しみながら生きていかなければならないのでしょうか。

いや、そうではないはずだ、と信じるのがアリババやアラジン。運命に絶望し、人々を虐げる親友を目の前にしてなお親友とみなし、無条件で信頼しているからこそ手を差し伸べている。

これ以上大切な人たちを誰一人失いたくない。自分も含めたすべての人間が対等に、幸せな世界を作りたい。

そのためには、まず自分が他人から信頼されなくてはならない。自分の思いを、どうにかして聞いてもらいたいから。

故に、まずは他人の人格を無条件に信頼する(=交友のタスクに踏み出す)。これこそが彼らの行動原理なのかもしれません。

現実問題、すべての人を信頼しようとしても時に裏切られ、自分が傷つく可能性は大いにある。

裏切られても、傷ついてもなお、みんなで幸せになりたい。いや、なれると強く信じること。

自分にできることはそういうことなのかなあ、とため息をつく師走の夜でした。

スポンサーリンク
ABOUT ME
はるたぬき
大学でラクロスを始め、京大大学院に進学を決めたたぬき。「面白きことは良きことなり」を合言葉に、今日も卒業研究に熱中している。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です