大学院・大学

【豪雨】「数十年に一度の豪雨」が「数年に一度」になる世界で

2020年7月から1週間以上、九州や中部地方で記録的な豪雨が続いている。今週(7月13日以降)も梅雨前線が活発になる見通しで、豪雨による災害に警戒が必要である。

今回の豪雨は、というか毎回の梅雨前線に伴う豪雨は、南の海で発生した水蒸気を多く含む空気が九州をはじめ日本各地に流れ込み、活発な雨雲を作り出していることが原因だ。

確かに湿った空気が流れ込んでいるんだけれど、今回が過去の豪雨と違うのは、水蒸気が流れ込んでくる量が過去の豪雨と比べて圧倒的に多いということ。

地球温暖化が進行した世界のシミュレーションでは、今回の豪雨のように水蒸気が大量に流れ込む想定がされてきたけれど、今回の豪雨はまさにその指摘通りの豪雨と言えるかもしれない。(今後の検証が大いに必要だけれども。)

スポンサーリンク

むしろ、過去のシミュレーションを超えるような現象が今後頻発する可能性は十分と考えられる。

シミュレーションはあくまでシミュレーションという「近似された」世界での話なのだ。

「地球温暖化で日本の豪雨が激しくなる」というトレンドは明らかである一方、「じゃあいつ、どんな豪雨が襲ってくるのか?」という問いには答えられないのが科学の現状だ。

まず、「地球温暖化で日本の豪雨が激しくなる」とはどういうことだろう?

それは地方によって差はあるけれど、過去の統計では「数十年に一度程度」くらいのまれに起きていた大雨の頻度が増加する、ということを意味している。

過去の大雨の統計からしたら今回の豪雨はまず間違いなく「数十年に一度」以上に頻度の少ないレベルだろう。

スポンサーリンク

しかし、気候が変わって雨の降り方が熱帯化すれば、過去の統計ではごくまれだった大雨が「数年に一度くらい起こる当たり前の」現象になるかもしれない。

こうした豪雨がこれから激しくなるというトレンドは、地球温暖化関連の研究ではほぼ一致した見解と思われる。(筆者が知る限りでは)

では、なぜ「いつ、どんな豪雨が襲ってくるのか?」はわからないのだろう?

それは、気象現象は初めの状態がほんの少しずれるだけで、その後の予測が大きく変わってしまうからだ。

これは特に、線状降水帯のような局地的で極端な現象で顕著に表れる性質なのだ。ごくごくわずかなずれが、時間が経つにつれて増大してしまうから、ある程度時間が経った予測は何の意味もなさなくなる場合がほとんどだ。

私見として、仮に現在よりも正確なシミュレーションができるようになったとしても、2週間先の線状降水帯を言い当てることは極めて困難だろうと思っている。

加えて、線状降水帯が発生する仕組みにはまだまだ謎が多く残されていることもあり、リアルタイム予測は精度に課題がある。

シミュレーションの中では水蒸気の量や風などの情報を観測に基づいて計算しているのだけれども、どうもそうした物質の量を計算機にぶち込んだだけでは説明がつかない場合が多いらしいのだ。

こうした予測技術を作っていくのが筆者の狙いであり企みなのだが、一朝一夕では達成できないだろうなあとは思っている今日この頃。

「気象庁や自治体から避難勧告が出たらすぐに避難して!」と言うのは簡単だけれども、そう言うだけじゃあ災害は防げへんわあとも思うのだ。

スポンサーリンク
ABOUT ME
はるたぬき
大学でラクロスを始め、京大大学院に進学を決めたたぬき。「面白きことは良きことなり」を合言葉に、今日も卒業研究に熱中している。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です