どうも、はるたぬきです。冬空の下エアコンと給湯器が突然の戦線離脱を致しましたため、室内でもパデットコートを羽織りつつ記事を書いています。
聞くところによれば、最近の冷え込みはここ30年で1番の寒さなのだとか。さいたま市で-9.8℃なんてもう北欧に来てしまったかのような気分ですね~
残念ながらはるたぬきはウェブ上でしかたぬきになれないので、人類モフモフ化計画はこれにて終了(笑)
さて、今回は寒さが厳しいと言われる京都で大活躍中のたぬきたちを描いた作品を紹介します!
「有頂天家族」(森見登美彦 著 幻冬舎文庫)の主人公は由緒正しきたぬきの一族の三男、下鴨矢三郎。
飄々とした性格の持ち主で、京都のまちを歩き回ってはドタバタ騒動を巻き起こす、正真正銘の阿呆なんです!。
師匠である天狗の赤玉先生の辻風をなだめすかし、ライバルであつたぬき一家・夷川家の金閣・銀閣としょうもないケンカを繰り返す。
半天狗の弁天には振り回され、父である下鴨総一郎を宴会の狸鍋にした金曜倶楽部とどんちゃん騒ぎを繰り広げる。
時には自らが熱い鉄鍋に放り込まれそうになりながらも、「面白きことは良きことなり」と今日も元気に阿呆っぷりをいかんなく発揮する姿には脱帽です笑。
私がこの作品でおすすめなのはそういったドタバタコメディもそうなんですけど、登場人物たちの機微や関係性の絶妙さなんですよね。
例えば、半天狗の弁天はその天狗的才能を大いにふるまい、京都の空を飛び回っては狸たちから畏れられる存在。
にも関わらず、矢三郎にはほかの狸とはちょっと違った感情を抱いているようで…?
「だって私は人間だもの」「私はいつだって優しかったわ」といったセリフには、きっと彼女が持つ「天狗」としての矜持と、一人の「人間」としての孤独の間で苦しむ姿が見えるような気がします。
天狗でも、人間でもない矢三郎と弁天の関係が絶妙で、何度もため息をついてしまいました(笑)。
また、矢三郎がその兄弟たちと時に喧嘩し、時に助け合う家族の姿も見もの。
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長男で頭の固い矢一郎、カエルのまま元の姿に戻れない矢二郎、臆病な矢四郎、阿呆な4兄弟を温かく見守る母。
家族が命を落としそうになるような大騒動でさえも「阿呆の血のしからしむるところ」と笑い飛ばし面白がる姿こそが本作品の真骨頂!
きっとあなたも、これを読めばたちまちにどんな困難も愉快なもんだと思える阿呆になれることでしょう!(笑)
さて、僕もそろそろ明日のTOEICに向けて休もうかと思います。