その名の通り、大学院を志望した理由や院で実現したいことなどを書かせる書類です。
「自分の中でなんとなく行きたい理由はわかるんだけど言葉にするのがちょっと…」となりがちな代物。
僕もそこで悩みました。言葉にしようと昼も夜も考えたけれど言葉にならず、終いにはこの研究室本当は行きたくないんじゃね…?と疑心暗鬼になってしまうくらいでした。(笑)
そこで考えたのは、大学院側が志望理由書を読んで何がしたいのか?ということでした。
なぜ大学院は志望理由書の提出を求めるのか
院試は主に英語の試験や筆記試験や面接(口頭試問)などから構成されています。
英語や筆記(専門)は、研究に必要な知識とかを聞いてくるだろうからまあ勉強しようぜ!という話。
では面接では何が問われているのか?それはズバリ、「受験者の人柄」
「この受験者は本当にうちの大学院に進学したいのかな?」
「この受験者には研究を進めるだけの基礎はあるのかな?」
「やる気はありそうだけど、扱いたい研究テーマはうちのと合ってるのかな?」
要するに、就活と一緒ですね。短い時間の中で、目の前の学生が未来の同僚としてふさわしいかどうかを見たいのだと。
具体的には、受験者が本当にやる気や研究の素地があるのか、あるいはその研究室でしていることとニーズがマッチしているのか問われます。
つまり、志望理由書では、受験者のココが知りたい!というわけ。
①研究室を志望したきっかけや理由(どうしてこの大学院に入学したいの?)
②自分自身の問題意識や目的意識(あなたが解決したい問題はなんですか?
③入学後の希望(あなたの問題を解決するためにどんな勉強や授業、方法を実践しますか?)
④修了後の進路(あなたの問題を解決するために、大学院を修了後どのような職業に就くことを考えていますか?)
①研究室を志望したきっかけや理由
前提として、大学院は「研究」する場所であり「勉強」するところではありません。
高校や大学までなら、教科書に書かれたことを理解してテストである程度成績を残せれば「優秀」と認められてきました。
学生に求められることは、「教科書や先生の言ったことを十分に理解すること」だったからです。
一方で、学校教育法第99条には、大学院の存在意義はこう位置付けられています。
大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究め、または高度の専門性が求めらえる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。
学校教育法 第99条第1項
難しい言葉だらけですが、要するに大学院の目的は「研究者や知識豊富な専門家を輩出する」こと、と言えるでしょう。
多くの大学院では、修了する条件として学位論文の提出を設定しています。
学位論文とは、修士課程、もしくは博士課程で「私はこんなにも優れた研究をして新しいことを発見しました!」とアピールするための論文です。
この論文を受理されて初めて大学院を修了(卒業)することができます。
言い換えれば、いくら授業でよい成績を収めても、学位論文がダメダメならば卒業できないということ。
しかも、「研究=今までにない新しい発見を発表すること」ですから、研究の教科書なんてものはありません。
教科書に新しいページを付け加える作業、と言った方がいいでしょうか。
当然ですよね。新しいことを発見するのに、方法論なんてあるわけがないんです。
自ら問いを立て、自分でいばらの道を切り開き、この世界の真相をちょっとばかし明らかにする作業。それが研究です。
おそらく、想像を絶する困難な作業です。立てた問いに答えがあるかもしれないし、ないかもしれない。
投げ出してしまいたくなる自分の支えになるのは、やはり研究を始めた「モチベーション」なのでしょう。
②自分自身の問題意識や目的意識
自分の問いや不満がはっきりとされれば、次は具体的にどう解決したいのか、あるいは解決のビジョンを記述しましょう!
③入学後の希望
大学院は研究する場所、と言いましたが、取らなければならない授業がいくつかあります。
④修了後の進路
大学院を修了した後、自分がどんな職業に就きたいかイメージはありますか?
一度書いてみて添削してもらおう!
以上の事柄について、指定された字数以内でまとめられれば自分だけの志望理由書の完成です!
p.s 文章の書き方をもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてください!